RKKのスクープ投稿に届いた映像です。

泳いでいるのは「シカ」です。そして泳いでいる場所は「海」です。

シカはなぜ海を泳いでいたのか?目撃者と専門家を取材しました。

運転中に・・・「シカと衝突!」「住宅地を徘徊するアナグマ」天草の海には「クリオネのような生き物が大量発生!?」視聴者から日々RKK(熊本放送)に寄せられる「スクープ」の数々!今回、届いたのは、海を泳ぐシカです。

シカを目撃した松崎豊さん(77)です。

松崎さんが海を泳ぐシカを目撃したのは2か月前、孫と釣りをするために船で海に出たときのことでした。

松﨑豊さん「黒い物体がこっちに来ていると思って止まっていたら船のところまで寄ってきた。シカ自体があまりいない。初めて見たシカもこんなところを泳ぐんだろうかと」

その距離わずか1メートル。イルカウォッチングならぬシカウォッチングです。

松﨑豊さん「泳ぐのが速い速い、犬かきで。頭の前に船を出すと下に潜る」
――船で遊んでいるような感じ?
松﨑豊さん「そうそう」

近くに住む人も海の中をスイスイと泳ぐシカに驚きを隠せません。

近くに住む人「これはどこですか?この辺?あら!泳いでるんですね。めずらシカ~」

シカはどこから来たのか。松崎さんはシカが泳いでいた方向から、水俣市の湯の児方面から津奈木町の海岸まで約1キロの距離を泳いだとみています。

松﨑豊さん「むこうにエサがなかったんでしょうね。それでこっちに来たんじゃないか。よく泳いできたですよね」

この「海を渡るシカ」について、動物行動学に詳しい岩手大学の出口善隆教授はこう話します。

岩手大学 出口善隆教授「追いかけられるなどして驚いて、海に飛び込んで逃げるような形で泳いでいるということが考えられる」

出口教授によりますとこのシカは二ホンジカのメスで、時期や性別から、トラブル以外の可能性は低いと見ています。

岩手大学 出口善隆教授「6月であればエサが不足する時期でもない。メスのシカの場合は群れで移動することが多い。何か突発的な事態が起きてバラバラに逃げたうちの1頭という感じがした」

出口教授は、シカも泳ぐと体力を使うため、好んで水の中に入るとは考えにくいとしていますが、シカは水の中でも数キロは泳ぐことができるということです。