高校生に「命の大切さ」を伝える講演会を開いた深迫祥子さんは、2019年に交通事故で亡くなった息子・忍さんの夢を引き継いだコーヒーショップを開店させました。

その過程では多くの人の協力があった一方、新たな悲しみが重くのしかかる出来事もありました。

【この記事は「前編・後編」の「後編」です】

講演会の様子(2025年9月)

犯罪者じゃないのに・・・

「よく息子さんの話を人前でできますね」

「わざわざ東京まで行って、死にに行ったようなものですね」

事件や事故の遺族が、周囲からの心無い言葉に苦しめられる「二次被害」。深迫さん達も例外ではありませんでした。

葬儀や裁判で心身ともに疲弊する中、投げつけられた言葉の刃。

忍さんが住んでいたアパートの不動産会社からは「交際相手に後追い自殺をされたら借り手がいなくなるから困る」と言われ、1か月以内に出ていくよう求められたといいます。

裁判に向かう深迫さん夫婦(2020年)

「犯罪者じゃないのに、どうして…」

中でも、深迫さんの記憶に深く刻まれた出来事があります。