那覇市で居酒屋の有名店「飛梅」などを経営した株式会社トリムフーズ(資本金3400万円、代表泉英治氏)が6月30日、那覇地裁に破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約2億8000万円。
同社は1988年設立の老舗居酒屋チェーンで、ピーク時には年売上高約4億4600万円を誇っていたが、競争激化と新型コロナウイルスの影響で経営が悪化していた。
37年の歴史に幕、格安居酒屋の先駆け
トリムフーズは設立当初、カラオケを主力とする飲食店経営からスタート。
その後事業を拡大し、「癒居酒屋飛梅」「南国ダイニング鬼さん」「竜宮ダイニング亀千人」など、格安価格での提供を軸とした居酒屋チェーンを展開していた。
同社の全盛期は2015年5月期で、年売上高約4億4600万円を計上。沖縄の居酒屋業界で一定の地位を築いていた。
新興勢力の台頭とコロナ禍が追い打ち
しかし、2010年代後半から新興勢力の居酒屋が多数出店するようになり、競争が激化。さらに2020年頃からのコロナ禍で、外食産業全体が大きな打撃を受けるなか、同社も業況が急速に悪化した。
2023年6月までに店舗の大部分を閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれ、今回の破産手続きに至った。
帝国データバンク沖縄支店は、沖縄県の景況感は良い状態が続いているものの、物価や人件費高騰、人手不足などの影響で体力の小さな企業から倒産していると指摘していて、今後も同様の事例が続く可能性がありそうだ。