南海トラフ地震は、今後40年以内に90%の確率で発生するとされます。しかし過去の文献などの記録には限りがあり、分かってないことがまだ多くあります。
■「文字がない時代」の津波の痕跡を求めて池の底を掘ってみると…

「文字がない時代の津波の情報があれば、より正確な予測ができるのではないか」...そんな研究が、香川大学で進められています。東かがわ市で行われた調査を取材しました。

「ガンガン」

池に浮かべた台船から、大きな音が響きます。地層を調べるためのパイプを打ち込む作業です。

東かがわ市、瀬戸内海に面した場所にある「大池」です。今月(11月)、香川大学などがボーリング調査を行いました。
海に近い大池の底から、およそ4メートルの深さまで掘り進めます。

(香川大学創造工学部 寺林優教授)
「南海トラフでの巨大地震が周期的に起きたと分かっていますが、それによる津波が瀬戸内海沿岸にも襲来したということが明らかになる」
津波は、海底の砂や生きものと一緒に地上まで押し寄せます。その痕跡が、地層に残されているというわけです。

1946年の昭和南海地震では、高知県をはじめ、瀬戸内沿岸でも津波の被害を受けました。しかしそれ以前の地震ではどの程度の被害があったのか資料が残されていません。
南海トラフ地震の被害想定では、およそ2メートルの津波に襲われる大池周辺です。

「何が出てくるか」

長さ1メートルあまりのサンプルが木の箱に入れられ、岸まで運ばれました。