不正な会計処理による「赤字隠し」が明らかになった松本マラソンについて、第三者でつくる検証委員会は管理運営体制に大きな問題があったとし、松本市の責任についても指摘しました。

この問題は、2023年の松本マラソンの決算で最終的に1595万円の赤字だったにもかかわらず、不正な会計処理を行い、およそ75万円の黒字として報告したものです。


第三者による検証委員会による調査が進められ、委員長の北川和彦弁護士が5日、臥雲市長に検証結果を報告しました。

その中で不正な会計処理の動機について事務局職員の中にあった「参加申し込みが減っている中で赤字を公表するとイメージが悪くなる」という危惧だったと指摘しました。


検証委員長 北川和彦弁護士:「まず第一に事務職員の倫理意識の低さに原因があると思っています。」

その上で損害は生じておらず法律的な責任はないとしました。

一方で、検証委員会が指摘したのが実行委員会のガバナンス=運営管理の問題です。

2000万円以上の支出に必要な実行委員長である市長の決裁がなかったこと、そして2億円を超える委託費について委託先との入札を行わない随意契約だったことにも問題があったと指摘しました。


これらの点は2018年度に実行委員会を対象に行われた監査結果として市に指摘されていたにも関わらず改善されなかったとして松本市を批判しました。

検証委員長 北川和彦委員:「決裁権者の決済経ていない 経費の検討が充分でない。随意契約に問題があるのではないか。それを生んでしまった背景は、ガバナンスの欠如に尽きる」


松本市 臥雲義尚市長:「不正な会計処理はマラソン大会の是非のみならず、松本市の行政に対する信頼の失墜という非常に大きな事態をひき起こした」

2025年の松本マラソンの中止は決まっていますが、2026年以降については白紙となっています。