記録的な暑さが続く中、尾道市御調町では早くも稲刈りが始まりました。水不足による影響も懸念され、まとまった雨が期待されます。
8月初めの強い日差しに照らされながら始まった稲刈り作業。かなり早い気がしますが、農業法人「今津野東」の森泰宏代表は「就農して7年目になるが、それ以来全くないので初めての経験」と話します。

広島県尾道市御調町の農業法人「今津野東」の「あきたこまち」の田。収穫はお盆の予定でしたが、暑さで穂が想定よりも早く実りました。
森代表
「この暑さの中、刈るのかってところなんですけど、せっかくの実りなので早くとって早くお客さまに提供したいと思っています」
初めてのことに、メンバーは慎重に作業を進めます。
近藤志保 気象予報士
「刈り取ったイネの株は、通常であれば10cmほどですが、こちらは40cmほどの高さを残してあります」
切り株が通常より長いのは、この株から再びイネを育ててもう一度収穫する「再生二期作」のためです。
森代表
「5~6年くらい前までは想像できなかったんですが、この2~3年で急激に暑くなってきているので、二期作の条件ができてきた」

広島県内でもなかなか例がなく、「今津野東」でも初めての試みです。2回の収穫のため、田植えの段階から前倒しで進めていましたが、これまでにない暑さで収穫は想定よりも10日ほど早くなりました。気象庁の観測によると、隣の府中市では、6月と7月は観測史上最も高い気温になりました。(6月は平年+2.1℃、7月は平年+3.2℃)さらに深刻なのが、水不足です。
森代表
「ちょっと雨が降らなくて困っていますね。他(の田)は、まだ水が足りないところもあるので」
府中市の7月の降水量は平年の16%ほどしかありませんでした。今週、まとまった雨が降らないと、これから穂をつける別の田では、被害が出るおそれも。そろそろ限界のようです。
森代表
「これから穂が大きくなるっていうときには、水がどうしても必要なので、雨gちょっと降ってほしいですね」
しかし、5日に刈り取ったイネのできは、ばっちりのようです。
森代表
「これなら無事お客さんに届けられそうです。古米、古古米といわれていますが、令和7年の新米ですから。みなさんに喜んでに食べてもらいたいです」
水不足の影響は広島県内各地の農家から「今週、まとまった雨が降らなければきびしい状況になる」という声が上がっています。
5日に収穫したあきたこまちは、地元の道の駅「クロスロードみつぎ」や福山市や府中市のスーパー「エブリイ」で販売される予定です。
エブリイでは、5kg3800円(税込)で近日中に販売予定。