広島は6日、80回目の原爆の日を迎えます。ことしも被爆電車があの日の記憶を伝えています。
8月3日、JR広島駅に路面電車が乗り入れ、駅前大橋ルートが開通しました。変わりゆく街のなか、原爆の恐ろしさや平和の大切さを伝えようと、被爆電車が走ります。

7月16日、子ども達の前に現れたのは、被爆電車653号です。車体の色は、当時を再現したグレーと青。1945年8月6日、原爆投下により、市内電車の123両のうち、108両が被害を受けました。
それでも早期復旧を目指し、原爆で傷つきながらも社員たちは車両や線路、橋が使える状態かを歩いて確認したといいます。倒れた電柱を起こし、切れた電線を繋ぎ直すなど、懸命な復旧作業で、原爆投下からわずか3日で一部区間で運行を再開しました。焼け野原の中で動き出した路面電車は当時の人たちに勇気と希望を与えました。
参加者はその車輌に刻まれた復興の物語に耳を傾けました。