島根大学は1日、医学部附属病院医療機器管理センター所属の臨床工学技師長(40代)に公的研究費等の不正使用と不適切行為があったと発表しました。

職員が学会等に参加した際、大学から支給された旅費などを返金させて他の職員に配分したほか、センターの慶弔費などに使っていましたが、私物の購入などはなかったとしています。

大学によると、去年11月に学内からの内部通報で発覚し、今年1月に外部の弁護士を含む調査委員会を設置して調べていました。

技師長は、所属していた医学部附属病院MEセンター(当時)で副センター長を務めていました。

調査によると、技師長はセンターに配分される予算では所属する17人中数人しか講習会やセミナーなどに参加できないと考え、なるべく多くの職員が参加できるようにしたいと学会等に参加した複数の職員に対し、大学から支給された旅費や学会参加費、講習料などの返金を求めました。

そして受け取った現金を、研修会等に自費で参加した職員に補填として配分したほか、慶弔費やコーヒー代等のセンターの会費に使ったということです。
これは大学経費の目的外使用と還流行為に当たるとしています。

不正支出は2019年度が4万円、2020年度が4万9130円、2021年度が6万7000円、2022年度が5万8000円、2023年度は8万365円で、5年間合計29万4495円でした。
そのうち6万円をセンター職員に配分し、残り23万4495円はセンターの会費に繰り入れていたということです。

技師長は2023年度にルールの範囲内か大学事務部に確認し「その方法は適切でない」と回答を受け、以降はこの運用方法を中止しました。

なお、技師長はその前にも事務部に確認したと主張しているものの、事務職員は調査委員会に対し記憶がないと証言しているということです。

調査結果を受けて大学では、技師長に今後不正使用分について返金を求めると共に、処分を検討するとしています。

またコンプライアンス教育の徹底などの再発防止策を大学全体で行うということです。