4会合連続で政策金利を据え置いた日銀。背景にあるのは、アメリカの関税政策です。

金融政策決定会合において、政策金利の4会合連続での維持を決めた日銀。追加利上げへの足かせとなっているのは、“トランプ関税”による先行きの不透明感です。

そのトランプ氏は、アメリカの中央銀行を金融政策を決める直前に異例の訪問。「利下げ」をトップに求めましたが、関税の影響が不透明なことなどから、結局、政策金利はそのままに。

植田総裁も日米の交渉合意を「大きな前進」と評価しつつも、警戒感を緩めていません。

日銀 植田和男 総裁
「これまでより低下したとはいえ、各国の通商政策等の影響に関する不確実性は、なお高い状況が続いている」

実は、不確実性についての表現は、前回6月時点の「極めて高い」から「高い」に弱めていますが…

日銀 植田和男 総裁
「(関税政策の影響が)さまざまな輸出・生産、アメリカであれば雇用、ハードデータにどういう影響を表れてくるのか見たい」

と慎重な姿勢は崩さず、利下げをしないアメリカと利上げできない日本との金利差を意識して、一時、1円以上、円安に進みました。

一方で、日銀はコメなど食料品の価格上昇が想定以上に強いことから、今年度の物価見通しを2.2%から2.7%へと大幅に引き上げています。

日銀は経済と物価が見通しどおりに推移すれば追加利上げをしたい考えですが、関税の霧がまだ晴れないのが頭痛のタネ。難しいかじ取りを迫られています。