おいしいと言われる名古屋の水道水。そのおいしさには昔ながらの技術や「水源」にも秘密がありました。そして、水道局員が名古屋と東京の水道水の味を飲み分けられるかも挑戦!名古屋の水道水がおいしい理由を徹底調査しました。

「名古屋の水は誇れる!」缶詰にしても販売されている水道水



私たちの暮らしに欠かせない水道水。そのまま飲み水として使っている国は世界的に珍しく日本を含め9か国。その中でもおいしいと言われる名古屋の水道水。

(名古屋市水道水を飲んだ男性)
「名古屋の水は誇れる」

名古屋城などでは缶詰にして販売もされていました(商品名「名水」)。
缶詰の裏側にある食品表示ラベルには「名古屋市水道水」と表記されています。

(名古屋市水道水を飲んだ女性)
「あっ普通に…おいしいです。柔らかくておいしい」
(名古屋市水道水を飲んだ男性)
「いつも家で飲んでいるのと同じですね、おいしいです非常に」


事あるごとに名古屋市河村たかし市長も絶賛します。

(名古屋市・河村たかし市長)
「名古屋の水はどえりゃーうみゃ―ことで有名だがね」

効率よりもおいしい水を届けたい、100年余り活用している“緩速ろ過”


水道水を蛇口からさかのぼっていくと…、まずは千種区の鍋屋上野浄水場。
およそ名古屋市半分(46%)の水道水が生み出されています。鍋屋上野浄水場には名古屋の水のシンボル的な存在がありました。

(名古屋市上下水道局・渡部健一課長)
「ここの今見えている大きな池が緩速ろ過池になります」

一部の水の浄化に今でも使われているのが国内でも珍しい“緩速ろ過”という方法です。

(名古屋市上下水道局・渡部健一課長)
「木曽川から来た水を、砂のろ過池があって…その表面に緑色が見えますけど、微生物の膜ができていて、そこをゆっくりとした速度でろ過することによって、微生物が水を浄水処理してくれる」


「緩速ろ過」は微生物で水の不純物を分解し、更に砂の層でろ過するおよそ200年前に考案されたろ過方法で、化学薬品で強制的に水をきれいにする「急速ろ過」と比べ、時間は8倍以上かかりますが、環境にもやさしく水質もよくなるのが特徴です。

(名古屋市上下水道局・渡部健一課長)
「効率はあまり良くないかもしれませんが、緩速ろ過の技術を継続していくことも含めておいしい水を届けていきたい」

急速ろ過に比べ必要とする敷地面積も格段に広くなりますが、名古屋市は、もう100年あまりこの方法で水を作っています。