名古屋場所で快進撃を見せ、優勝争いにも加わった岩内町出身・一山本関。その強さの源泉と、公務員から力士へという異色の経歴の裏側にある思いとは。

激闘を終えたばかりの一山本関に、場所中の心境から知られざるヒストリーまで、余すところなく語ってもらいました。

■名古屋場所での快進撃「自分の力も通用する」

Q.15日間の戦いを終えたばかりですが、リフレッシュはできていますか?
A.きのうの夜、しっかり寝たんで、ある程度元気です。

Q.名古屋場所は9勝6敗と3場所ぶりの勝ち越しでした。手応えはいかがでしたか?
A.序盤中盤は調子よく相撲を取らせてもらいました。自分の力もある程度通用するのかなと思えた場所だったと思います。

Q.ご自身の持ち味である押し相撲は、今場所で貫けましたか?
A.負けた相撲でもしっかりそれは貫けたと思うので、そこは良かったと思います。

Q.今場所、特に印象に残っている勝利はありますか?
A.やっぱり勝ち越した相撲(9日目・豪ノ山戦)ですかね。結果的には引いて勝ちましたけど、立ち合いでしっかり当たれたのが良かったんだと思います。

Q.対戦相手の豪ノ山関は大学の後輩ですが、意識しましたか?
A.やっぱり後輩には負けたくないと思って相撲を取らせてもらって、勝てたんで良かったです。(大学時代は)かぶってはいないんですけど、それでもやっぱり後輩には先輩としての威厳を見せたいなと思っていました。

Q.12日目の横綱・大の里関との一番は、物言いの末に取り直しとなりました。会場も非常に盛り上がっていましたが、振り返っていかがですか?
A.自分の中でもいい相撲は取れたと思うんで、あと一歩が足りなかったというところです。しっかりそこを稽古して、来場所は、しっかり臨めればいいのかなとは思います。

Q.取り直しが決まった瞬間の心境は?
A.会場で「もう一丁」コールがすごいあったんですけど、多分会場で僕だけじゃないですかね、「もう一丁は勘弁してくれ」と思ってたのは(笑)。自分の中でもちょっと勝ったかなって思う部分があったんで。でも、取り直しになった時には、もう1回しっかり頑張ろうと気持ちを切り替えられたので、そこは良かったのかなと思います。

Q.10日目を過ぎたあたりから優勝争いに加わっていましたが、「優勝」は意識しましたか?
A.いや、全く。残り5日間あるんで、全然意識することなく相撲を取ったつもりではいるんですけど、どこかでちょっと緊張はあったかもしれないです。

Q.優勝へのプレッシャーや猛暑が続く中での体調管理はどのようにされていましたか?
A.やはり暑いので、水分をたくさんとってしまう。冷たすぎるものを飲まないようにするなど体調管理はしていました。メンタル面では、僕は寝たら嫌なことも忘れられるタイプなんで、しっかり寝ていました。