メジャーリーグでシーズン最高の選手に贈られるMVPが18日(日本時間)に発表され、アメリカン・リーグの最終候補に選出されていたエンゼルス・大谷翔平(28)は受賞を逃した。大谷は昨季満票でMVPを獲得していて、2年連続での受賞となれば日本人選手初の快挙だった。ア・リーグは62本塁打を放ったヤンキースのA.ジャッジ(30)が初受賞、ナショナル・リーグはカージナルスのP.ゴールドシュミット(35)が受賞した。

MVPは全米野球記者協会(BBWAA)の各支部から選ばれた30人の記者の投票で選出されるもので、投票はポストシーズン前に締め切られる。ア・リーグはジャッジの1位投票が28票でトータル410ポイント、大谷の1位投票は2票でトータル280ポイントとジャッジの圧勝だった。

発表前のインタビューで大谷は「個人的にいいシーズンだと思っている。ここに呼ばれて光栄、来年も呼ばれるように頑張りたい」と振り返り「去年はバッターの方が良かったですけど今年はピッチャーの年だったなと思います」と自身を評価。ジャッジの活躍については「一選手として毎日見ていましたし、また打ったな、また打ったなと楽しませてもらった」と話した。

今季の大谷は、投手として28試合に登板し、166回を投げ15勝9敗、防御率2.33、奪三振219。打者としては157試合で、打率.273、本塁打34、打点95をマーク。ベーブ・ルース以来、メジャーでは104年ぶりとなる“2桁勝利&2桁本塁打”、メジャー史上初となる“規定打席&規定投球回”の同時到達を成し遂げ、ジャッジ、アストロズのY.アルバレス(25)と共にMVPの最終候補に選出されていた。

初受賞となったヤンキースのジャッジは62本塁打を放ちア・リーグ記録(1961年、R.マリスの61本塁打)を更新。本塁打、打点の二冠王を獲得し、打率でもリーグ2位の活躍を見せた。ヤンキースの選手がMVPを獲得したのは、2007年のA.ロドリゲス以来、15年ぶりとなった。

昨季は、日本人選手としては2001年のイチロー氏以来のMVPを満票で獲得するなど“11冠”だった大谷だが、今季はここまで無冠。12月6日には「先発投手部門」と「指名打者部門」の2部門で最終候補に選出されている、メジャー版のベストナイン「オールMLBチーム」の発表が控えている。

【今後の主な表彰予定】※日程は日本時間
11月29日 エドガー・マルティネス賞(担当記者、放送関係者、球団広報担当者の投票)
12月6日 オールMLBチーム

【昨年の大谷受賞一覧】
■打撃部門で評価されたタイトル
(1)選手間投票で選ぶ「アメリカン・リーグ最優秀野手」
(2)専門誌『ベースボール・ダイジェスト』の「野手部門最優秀選手」
(3)打撃のベストナインと言われる「シルバースラッガー賞」
(4)「オールMLBチーム 指名打者部門 ファーストチーム」
(5)「エドガー・マルティネス賞」

■二刀流と投手部門で評価されたタイトル
(1)最高の栄誉"リーグMVP"
(2)選手間投票で選ぶ「年間最優秀選手」
(3)専門誌『ベースボール・アメリカ』の「年間最優秀選手」
(4)7年ぶりの選出となった「コミッショナー特別表彰」
(5)老舗スポーツメディアサイト『スポーティング・ニュース』の「年間最優秀選手」
(6)「オールMLBチーム 先発投手部門セカンドチーム」