病気療養中の人々に無償でバルーンを届ける活動を紹介します。制作するのは、バルーンアーティストの「ピエロのファンキー」さん。バルーンに込めた特別な思いがありました。【SDGs「つなごう沖縄」】

バルーンパフォーマンスを披露するのは、ピエロのファンキーさん。本名、山城朋美さんです。
施設利用者「上等だね~ありがとうね」
少し照れていた男性もバルーンを受け取り笑顔を見せます。

バルーンアートを始めて16年。バイクをモチーフにしたデザインから琉球舞踊まで、さまざまなバルーン装飾を手がけるほか、イベント出演やバルーンアート教室を開くファンキーさん。9年前から、ある活動を続けています。

病気療養中の人たちや小児科病棟に、バルーンを無償で届けるプロジェクトです。仕事の合間を縫って、毎月県内の病院に届けています。この取り組みを始めたのは、イベントで使用したバルーンをある病院に寄贈したことがきっかけでした。
ファンキーさん
「歩くのが困難なお子さんがいたり、会話が難しかったり、困りを持つ子どもたちがいっぱいいるんだなということに気付いて。そういう子たちって、私が行っているお祭りや商業施設で(あまり)会うことはないんですよ。そういう子たちは、なかなか行けていないなと気付いて、私が毎月届けてあげようと」

この日は、宜野湾市内の病院に、バルーンアートをセッティングします。
ファンキーさん
「きょうはこんな感じのものを一人ずつにお配りできるように作ってあるんですけど、病棟を回って良い方に関しては、目の前でそこにある大きいワンちゃんを作って見せながらプレゼントしていきますね」

続いて、病棟へ。
「きょうね、目の前でワンちゃんを作ろうかなと思っているので」「よっ、よっ、はい。さぁ、(息を)フッとやってくだいさいね。せーの、ふっ。上手!できました~」

患者さん
「いろいろなバルーンを作ってくれて、癒されています」「何作るんだろうって、ワクワク感があって。それが楽しみです」
ファンキーさん
「さらに、さらに、よいしょ、ジャジャーン!」「できました~、はい。いきます!じゃーん、おさるさーん」
患者さんからお礼の手紙をもらいました。

ファンキーさん「ありがとうございます。これ、いつ書いたの?」
患者さん「きのう」
病気療養中の人々に、バルーンを届ける活動は、SDGsの目標につながっています。
ファンキーさん
「去年の7月に沖縄病院から、今までお届けしたバルーンの写真と一緒に一言添えていただいたものとか。やっぱりこういうものを頂くと、頑張ってよかったなって思いますね」

9年前、一か所から始まった活動が今では届け先も増え、人々の笑顔がバルーン制作のやりがいにつながっているといいます。
フレンド代表理事・宮城智子さん
「コロナのときは全然出られなかったのですが、このバルーンで明るく過ごせました」

ファンキーさん
「(バルーンを)届けたいプロジェクトは、普段こういうパフォーマンスはないんですけど、直にみんなの笑顔が見られる貴重な時間を頂いて本当にありがたいです」「いろんなご縁でたくさんの人につながっていけたらいいなと思っています」
バルーンを通して、笑顔と元気を届けるファンキーさん。彼女の作品が病と向き合う人々の力になっています。

ピエロのファンキーさんは、バルーンの届け先を増やすために、材料費などの協賛を募っています。問い合わせは、「アート バルーン キューピット」のホームページをご覧ください。