タイとカンボジアの国境が定まっていない係争地で24日、両軍の武力衝突が発生し、タイ側では多数の民間人が死傷したとみられています。両国は今年5月に、カンボジア兵が死亡する銃撃戦が起きて以降、対立がエスカレートしています。

現地メディアなどによりますと、タイとカンボジアの国境地帯で24日早朝、軍事衝突が発生しました。

タイ軍によりますと、カンボジア側から発射されたロケット弾が、シーサケート県にあるコンビニエンスストアに着弾し炎上。多数の民間人がけがをしたということです。

また、タイ政府は、別の地域にある村なども被害を受け複数の民間人が負傷したほか、死者も出ていると発表しています。

一方、タイメディアによりますと、タイ軍のF16戦闘機がカンボジア領内の軍事拠点を空爆しました。

タイとカンボジアの双方は「相手側が先に発砲した」と非難したうえで、自衛のために反撃したと主張しています。

両国は、今年5月に係争地で起きた銃撃戦でカンボジア兵士1人が死亡してから、互いに国境の検問所を閉鎖したり、貿易を制限したりと対立が激化。

また、今月には、カンボジアが埋めた地雷によって複数のタイ兵士が負傷したとタイ側が非難していて、衝突が拡大する懸念が高まっています。