記録的な少雨となっている新潟県内。上越市では水不足が深刻となり、市民は、猛暑の中で節水を求められています。願うのは、雨です。
【記者リポート】「午前11時前の正善寺ダムです。普段は8割ほど水がたまっているそうですが、今は2割以下になっています」

上越市にある正善寺ダム。貯水率は17.9%で、普段より10メートル以上水位が下がり護岸が見えています。

ここまで水が少なくなるのは1987年以来、およそ40年ぶりです。
上越市では最も大きい城山浄水場でトラブルが発生し、正善寺浄水場の稼働を早めて水不足に対応していました。

しかし、今度は雨が降らずダムの水がピンチに…。上越市で今月降った雨はわずか1ミリで、上越市は、一部のエリアの市民に40パーセント以上の節水を呼び掛ける事態となりました。

【上越市ガス水道局 尾地宜彦 参事】「お一人200リットル、節水いただいてますが、大変ご不便とご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱいです」

節水を呼びかけられた住民はあの手この手で協力しています。
【節水区域の住民は】「これは野菜を洗った水。朝に青ジソを洗ったから、浮いているんです。この暑さでしょ。水分ないからナスとかカボチャとかにくれるの」

ただ、水が足りず弱る野菜もありました。

【節水区域の住民は】「風呂の回数を減らしてシャワーを増やすとか」

また、家庭菜園にも工夫が。
【節水区域の住民は】「草を刈って乗せて湿らせて枯れにくくする」
市民は工夫を凝らしますが上越市によりますと、節水効果はまだ5パーセントほど…。市はさらなる節水に期待します。

一方、雨不足はコメ作りにも打撃を与えています。

【節水区域のコメ農家は】「こんな状況じゃ、正善寺の田んぼはみんな終わりだね」

水を引いていたため池は枯れ、用水路には2週間ほど水が流れていません。
【節水区域のコメ農家は】「(穂の)出始めが一番水が必要な時期なんだ(水不足が続くと)収量はもちろんだけど品質にも影響するだろう。降ってもらいたいね。一日も早く」

猛暑の中、そして稲にとって大事な時期に続く水不足…。
【上越市ガス水道局 尾地宜彦 参事】「しばらく降水確率を見ましても少ない状況。節水の取り組みを引き続きよろしくお願いしたい」

23日も魚沼市 小出で35.5℃、新潟市 秋葉区で35.2℃など、厳しい暑さとなった県内。

ただ、この先もまとまった雨が降る日はしばらくなさそうで、厳しい夏が続きそうです。

県は25日に渇水情報連絡会を開催し、高温少雨の影響や対応状況を確認することにしています。
