参議院選挙の選挙戦は最終盤。候補者の訴えにも熱が入ります。ここで、視聴者の疑問などから、選挙や投票について考えます。tysテレビ山口では公示前にLINEアンケートを行い、340人から回答がありました。

寄せられた疑問や意見のなかで、目立ったのはインターネットを通じて投票を行う「ネット投票」はできないのかといった疑問です。

「ネット投票」について、次のような意見がありました。
・「ネット投票をメインにして、投票所に行く手間やコストのカットを」
・「若年層の参加を促すためにマイナポータルを活用した投票に変更する時期では?」

なぜできないのか?選挙を管轄する総務省に聞いてみました。

1つめの理由は、適正な投票環境が確保できるかという問題。いまは投票所には立会人がいますし、仕切りの中で1人で書けますが、ネット投票だと誰かが投票先を指示するおそれもあります。確実な本人確認や二重投票の防止なども課題です。

2つめはセキュリティーの問題。誰が誰に投票したか誰にも知られないようにする「秘密投票」は選挙の大原則です。万が一にも情報が漏れることがあってはいけません。

そして3つめはシステムの問題。全国に同じシステムを導入する必要がありますし、一斉アクセスに対応できる大量の情報をやりとりできるシステムでないといけません。

こうして見るとハードルは高いと言えそうですが、実は海外ではバルト3国のひとつの・エストニアで以前から導入されています。国内でも2024年、茨城県つくば市で、市長の退職金額を決めるネット投票が行われました。より便利な選挙を求める声を受けて、今も進められている議論・対応が進むことを期待したいところです。

また、投票所でパソコンやタブレットを使い投票する電子投票は、すでに全国の一部の自治体で行われました。こちらも職員の集計作業などが楽になるなどメリットが大きいと言えます。