「より早く」、そして「より細かく」。気象庁が台風に関して発表する情報が、5年後を目途に大きく進化しそうです。

台風情報を社会のニーズに応じた情報に改善するための検討を行ってきた気象庁の有識者会議は、きょう(17日)報告書案をまとめました。

それによりますと、2030年頃を目途に、「台風が発生する前」については、現在、発生の24時間前からしか提供していない情報を、「6か月前」、「1か月前」、「1週間前」などのタイミングでそれぞれ見込みの情報を発表して早めの備えを促すとしています。

具体的には、2019年に千葉県などに大きな被害をもたらした「房総半島台風」では、台風発生の前日に最初の情報が発表されていましたが、改善後は、2週間前に「発生の可能性が普段よりも高くなる」ことを、1週間前には「台風が発生して東日本に接近する見通し」を発表できるようになるということです。

一方、「台風が発生した後」についても、進路予報を現在の「24時間刻み」から「6時間刻み」にしたり、現在、「円」で表現している暴風や強風の吹く範囲をメッシュで表示したりするなど、きめ細かく伝えるとしています。

気象庁は、技術開発やシステム整備を進めて、2030年ごろを目標にこうした情報提供を行うということで、長い間、「予報円と暴風警戒域」で表示されてきた台風情報が、およそ40年ぶりに大きく進化しそうです。