広島県福山市の小学校で去年5月、児童を羽交い締めにしたとして暴行の罪に問われた男性教諭に、広島地裁福山支部は11日、無罪を言い渡しました。
判決によりますと、福山市の小学校に勤務していた男性教諭(37)は、去年5月10日の掃除時間に、当時小学6年生の男子児童がグラウンドで遊んでいたため注意したところ、児童が教諭のすねあたりをかかとで蹴ったり、後頭部で頭突きをしようとしたりしたため、男性教諭が児童を2、3分羽交い締めにする暴行を加えたとされています。
検察側は、教諭の行為が、学校教育法第11条に規程される教師が児童に対して行使できる懲戒権の範囲を超えていて、体罰であるとして、罰金20万円を求刑。一方、教諭側は、児童の攻撃から身を守るための正当防衛で無罪であると主張していました。
広島地裁福山支部の松本英男裁判官は11日の裁判で「教師の懲戒権の行使として認められる範囲で、体罰に当たる程度に達していたとも言えない」として、男性教諭に無罪を言い渡しました。
判決を受けて、広島地検の岡田馨之朗次席検事は、「判決内容を精査し、上級庁と協議のうえ適切に対応したい」とコメントしています。