イギリスの覆面ストリート・アーティスト「バンクシー」の新作がウクライナの激戦地で見つかりました。現地ではバンクシーが残したとみられる作品が相次いで見つかっていて、そのメッセージに関心が高まっています。一方、ロシア軍が撤退したへルソンをゼレンスキー大統領が訪問し、「一歩一歩前進している」と話しました。

■プーチン氏を皮肉った絵も ウクライナに“バンクシ―”作品が

ロシアによる軍事侵攻によって破壊された建物の壁をよく見ると…絵が描かれていました。
レオタードを着た体操選手でしょうか。崩れたコンクリートの上で逆立ちをしていますが、がれきに手がはさまれているようにも見えます。

これは覆面ストリート・アーティストである“バンクシー”の新作。そのSNSには「ウクライナ」「ボロディアンカ」の文字も書かれていました。

ボロディアンカはロシア軍による激しい攻撃を受け、多くの市民の遺体が見つかった激戦地です。
街では、柔道着を着た少年が黒帯を締めた大男を投げ飛ばす絵も見つかっています。苦戦するプーチン大統領を皮肉った作品とみられています。



市民
「バンクシーが来てくれて嬉しいです。私の心にずっと残るでしょう」
「ありがとう!ありがとう!」

歓迎の声は南部へルソン州でも。大勢の市民がウクライナ軍兵士を出迎えています。



ある女性は、何やら土を掘り返し…埋めてあったものを取り出すと大切に保管していたのはウクライナの国旗でした。少し濡れていましたが、無事だったようです。

侵攻後、まもなくロシアの占領下に置かれたへルソン州。ロシア軍の重要な戦略的拠点でしたが、ウクライナ軍の反転攻勢で撤退しました。ただ、攻撃は続いています。



11月12日にロシアメディアが公開したへルソン州にあるダムの映像では、突然、画面が真っ白になると爆発・炎上しました。どちらの攻撃によるものか詳細はわかっていません。