政治系「切り抜き動画」制作者を直撃「最高で月80万円」

およそ2年前から切り抜き動画を制作しはじめた鈴木さん。現在の登録者数はおよそ3万人。今では月20本程度の動画を副業として作っています。
月の収益は…

世間を賑わすニュースあれこれ運営 鈴木さん(仮名)
「(月)10万、20万、飛んで40万とか、最高で(月)80万くらいまで行きました」
なんと、作った動画がバズると収益はおよそ80万円まで跳ね上がることも。平均でも月およそ30万円、収益が見込めるといいます。
鈴木さんの動画は政党や候補者などが配信している会見や演説の話題になりそうなキーワードをまとめるスタイル。現場に足を運ぶことはなく、配信された映像を10分程度に編集し動画を作っているんです。
世間を賑わすニュースあれこれ運営 鈴木さん(仮名)
「(Q.どんなのが伸びやすいとかバズりやすいってあるんですか?)シンプルにサムネイルが目を引くというのが大事。何とかを“大暴露”とか”マジ切れ”とか、タイトルとかサムネが目を引きやすい」

因みに鈴木さんがつけた「高市早苗がマジギレ」という刺激強めな動画は…105万回再生を記録。
しかし、こうした動画の切り抜きは問題ないのでしょうか?
世間を賑わすニュースあれこれ運営 鈴木さん(仮名)
「私の場合はそこに(著作権の)明言をしていない“使ってもいいよ”って言ってないところも使用はしているので、ある意味グレーというか、ブラック。
(Q.無断使用してるってことですか?)許可はとっていないので無断使用になるので、動画を勝手に使っている、それでお金儲けをしている」
こうした切り抜き動画は著作権を侵害しているとして、削除要請が来た場合は動画を削除しているといいます
世間を賑わすニュースあれこれ運営 鈴木さん(仮名)
「公平にというか、できる限り(情報を)フラットにという思いは一応あります。収益だけを目的にしているわけではないですし、BAN(利用停止)されるようなことをしているという事実は存在するので、BANされたらBANされたでしょうがない」

こうした切り抜き動画について各党の対応を番組が調べたところ、日本維新の会などは容認。
特に、共産党と国民民主党は切り抜きの拡散を呼びかけ、動画データの提供も積極的に行っています。
また、自民党や公明党、立憲民主党などは営利目的ではないものは容認しているが、偽・誤情報のものに対して対応を検討するなど条件付きで容認。
社民党は明確なガイドラインはないものの公益福祉に反している場合は対応するしています。
特にルールはなく、各党の対応は様々です。

さらに取材を続けると、進化系とも言える切り抜き動画を見つけました。
記者
「TBSテレビです、よろしくお願いします」
ガッツリ国会ch運営 腰山椋太郎さん
「よろしくお願いします」

去年の都知事選の時、石丸伸二氏の推し活をきっかけに政治に興味を持ったという腰山さん。去年9月にYouTubeを開設し、登録者数は2220人。その動画の特徴は…
ガッツリ国会ch運営 腰山さん
「解説を入れているというのが、このチャンネルの一番の特徴になります」
ガッツリ国会chの動画
「皆さんこんにちは。ガッツリ国会chの葉子です」
なんと、独自解説を加えるスタイル。
ガッツリ国会ch運営 腰山さん
「政治家が話していることの背景だったりとか意図が伝わらないこともあるのかなと思いまして、葉子という人物の解説を入れている」

演説や記者会見の動画の切り抜きを担当するのが腰山さん。“自撮りによる解説”を担当しているのが腰山さんの親戚で、奈良県在住の会社員・葉子さんです
ガッツリ国会ch運営 腰山さん
「次、投稿する動画だけど〜」
週に1、2回ほどふたりは動画の内容を電話などで打ち合わせし、動画制作をしているといいます。
ガッツリ国会ch解説担当 葉子さん
「(Q.解説の内容はどのように考えていますか?)私はあまり切り抜き動画を見なくて、元々ある動画を見るんですけど、わからない政策とかあったらその都度調べています」
実際にどのような解説をしているのでしょうか。保育士の待遇に関する動画では…
ガッツリ国会chの動画
「業務量の多さと低賃金から就職先には選ばなかった人たちが私の周りには多くいます」
政治記者などの経験がないからこその伝え方があるという葉子さん。
ガッツリ国会ch解説担当 葉子さん
「政治にそもそも興味がない人たちをターゲットにして語りかけている。ママ友とか職場の人たちと喋るような内容を喋っています」