卓越した技能を持ち、その道で第一人者である技能者を国が表彰する「現代の名工」に今年度、宮城県内から4人が受賞しました。このうち、仙台市の料理人の男性は、その技術と後継指導の功績が認められ選ばれました。
仙台市宮城野区にある現代の名工に選出された日本料理店「多津味(たつみ)」の親方・髙橋正行さん(70)。
髙橋正行さん:
「突然だった。受賞になるとは思っていなかった」

髙橋さんが高く評価されているのは、日本の四季を表現した料理。繊細な包丁さばきで大根を松ぼっくりに象っていきます。

名取産セリや東松島産カキ、仙台みそなど地元食材を使って故郷の秋の景色を表現しました。
髙橋正行さん:
「野蒜の松原ですね、紅葉してきてそこに松ぼっくりが落ちているイメージ。季節、旬は大事」
東松島市野蒜出身の髙橋さんは、15歳でこの世界に入り、仙台や松島の有名ホテルの料理長を歴任。後継の指導に力を入れこれまで数百人の料理人を育成してきた功績も高く評価されました。
弟子:
「一日二日で出来る技術ではない、まだまだ、あと10年かかる」

「凄い長い時間をかけて技術を習得してきた。いつかは(髙橋さんのような)高度な技術を身につけたい」

70歳の髙橋さんは、今なお修行の身だと話します。
髙橋正行さん:
「常に研究、常に勉強。いっぱいある知らないものも、一杯もっともっと勉強したい」

このほか、県内で受賞したのは、仙台市若林区の和服仕立職、千坂和子さん75歳、多賀城市の美術刀剣白銀・金工師、羽川安穗さん79歳、亘理町の建築板金工、三品信夫さん69歳の3人です。県内の受賞者の表彰式は、11月29日に多賀城市で行われます。
