米軍嘉手納弾薬庫地区の敷地内で不発弾が爆発した事故で、陸上自衛隊第15旅団は10日に事故原因を公表し、事故の後、全国で中止していた作業の一部を10日以降再開すると発表しました。

この事故は先月9日、読谷村の米軍嘉手納弾薬庫地区にある県管理の不発弾保管庫の前で、米国製75ミリ対戦車りゅう弾が爆発し、自衛隊員4人がけがをしたものです。

陸上自衛隊第15旅団が公表した事故調査の結果によりますと、当時、回収した不発弾について、外注で処分するか爆破処理するかを判断するため、信管の有無を確認しようと工具を使ったさび取りをしていたところ、衝撃が信管に伝わったことが原因と特定されました。

陸上自衛隊は今後、信管に衝撃が伝わるような工具の使用を禁止したうえで、今回爆発が起きた作業と同様の識別作業を、来月以降はX線を使って行うなど再発防止に努めるとしています。

また、県内で不発弾を爆破処理する場合は米軍の敷地内で行われていますが、米軍との調整で爆破処理の機会が年に1、2回程度と限られていることが、外注処分への過度な依存を生み、事故につながったとも結論付けています。

会見で森下陸上幕僚長は、今後、爆破処理の機会を増やせるよう、アメリカ側と調整を進める考えを示しました。

▼森下陸幕長
「爆破の機会を増やすことによって隊員は精神的な圧迫から取り払われて、しっかりと爆破処理にもっていけるということで、無理をせずに識別作業を実施できると我々は思っておりますので、これからはそれを追求していきたい」

第15旅団は今回爆発した不発弾がおととし7月、糸満市の沖合にある無人島「岡波島」で回収された約580発の不発弾の1つだったことを明らかにし、海水などの影響で腐食が進み、外見からは信管の有無の判断が難しかったとしています。

陸上自衛隊は今回事故が起きた識別作業の一部を全国で中止していましたが、10日以降再開する方針です。