

昭和39年(1964年)8月、熊本市役所前の映像です。この日、熊本市の石坂市長が「街をきれいにする運動」の実施を発表し、早速市役所前の坪井川沿いで作業が行われたのですが・・・

「街をきれいにする」といえば、まずはゴミ拾いや路面の清掃を想像しますが、この日行われたのは、なんと薬剤を噴霧しての坪井川の消毒でした!

市役所そばには重要文化財の「熊本城の長塀」があり、その目の前を流れる坪井川は、現在は多くの観光客を集める熊本の観光スポットの一つになっています。


しかし当時の坪井川は、夏は虫が発生し、魚の死骸も浮いているような「ドブ川同様」といわれる状況で、環境の改善が急務とされていました。

そのような中開始された「街をきれいにする運動」について、当時のニュースは、「この運動は『私たち市民は清潔で住みよい町をつくりましょう』という愛市憲章の元に、9月から12月までを第一期として河川、公園、下水道などの清掃を行い、今後は熊本市をきれいにするための全市的な運動に持っていこうというものです。この運動に要する予算は9月市会に計上する予定になっています」と伝えています。

以来60年余り。市街地の美化は進み、街中で大量に薬剤を噴霧するようなことはなくなりましたが、最近ではカラスのフンによる被害など、新たな問題も発生しています。「街をきれいにする」ための努力には、終わりがありません。