広島県福山市に本社を置く福山臨床検査センターが血液など検体の輸送に新幹線を導入しました。大阪市内の医療機関で採取した検体を福山市内の本社へ素早く輸送することが目的です。

9日 午後6時19分、新大阪駅で検体を積み込んだ"みずほ611号"が、定刻通り広島駅に到着しました。

検体の輸送には、JR西日本などが今月から始めた法人向けの緊急輸送サービスを利用しています。サービスの利用は広島県内の企業で初めてです。

福山臨床検査センターでは、これまで大阪市内の医療機関から福山に車で約4時間かけて検体を運んでいましたが、新幹線を使うことで約2時間半に短縮できます。

福山臨床検査センターの宮地洋次 取締役は「早く物が運べることが何よりもの強み。早く運んで、早く結果が分かることで、医療機関で素早い対応ができることが大きい」と話していました。

緊急輸送サービスを提供するJR西日本の河村孝成さんは「"今すぐ運びたい"というニーズに応えられるサービスにしたい」と意気込みました。

現在、県内で緊急輸送サービスを利用できるのは広島駅のみで、広島駅から福山市の本社までは車での輸送が必要になります。今後は福山駅でも利用可能になる予定のため、検体の輸送時間はさらに短縮される見込みです。