地元就職特化型高校をうたい、昨年度から「BT(バイターン)・企業訪問や無償の職業体験を行う授業」を特長としたカリキュラムを導入した島根県松江市にある私立松江西高校に対し、島根県は、「学校から届出がされていたBT5単位の授業を行わなかった」「教員数が学校教育法に定められた人数を下回っていた」とし、7月8日付で行政指導を行いました。
島根県によると松江西高校は去年4月1日、「各学年とも『BT』を5単位設定」と届出たにもかかわらず、この教育課程が適用される2024年度1年生対し、当初から5単位分の授業を行う考えがなかったことが明らかになったということです。実際には、3単位分の授業は行われ、取得できなかったのは2単位分となっています。
また、松江西高校は2024年度、学校教育法に基づく教員の配置数が、必要とされる19人に対し3人少ない16人だったことも明らかになりました。
松江西高校は今年度から定員の引き下げを行ったため必要教員数が15人となり、現在は基準を満たしているということです。
こうした事実を受け島根県は、7月8日付で松江西高校に対し、「今後、カリキュラムや時間割の変更の有無にかかわらず、次年度の時間割と各授業を受け持つ教員名が分かる資料を、遅くとも毎年3月18日までに県に報告すること」「教育課程及び授業日時数を変更しようとする場合は、あらかじめ生徒・保護者に対し説明を行い、県に速やかに説明日時・内容・方法、その結果を報告すること」といった行政指導を行いました。
今後、期限までに必要な報告がなされなかったり、届出のあった授業が実施されていないことなどが判明した場合は、私立学校法に基づく報告徴収や措置命令を検討するとしています。
この問題を巡っては、今年3月、島根県の丸山知事が定例記者会見で、
「馬鹿たれと。こんなもの3年繰り返したら卒業できなくなるじゃないかと。BTを売りにして、生徒を集めておいて、この様は何なんだ。」
と、松江西高校の現状を厳しく批判、運営改善を求める措置命令を出す考えを示していました。