関東甲信地方では、東日本から日本の東にのびる前線と暖かく湿った空気の影響で、10日夜遅くにかけて大気の状態が非常に不安定となっています。この状況に伴い、土砂災害や河川の増水、落雷など複数の災害リスクが高まっているため、十分な注意が必要です。
土砂災害と浸水に厳重警戒を
関東甲信地方では、10日夜遅くにかけて、雷を伴った非常に激しい雨が降る見込みです。この大雨に伴い、特に警戒が必要なのが土砂災害です。山沿いの地域では、地盤が緩み、土砂崩れやがけ崩れが発生する危険性が高まっています。また、低い土地では浸水被害のおそれがあり、普段は水が少ない中小河川でも急に水かさが増す可能性があります。河川の増水や氾濫にも警戒が必要です。降り続く激しい雨により、河川の水位が急激に上昇する恐れがあります。特に、これまでに雨が多く降った地域では、地盤が緩んでいる可能性が高いため、少量の雨でも土砂災害が発生しやすい状況となっています。
前線南下で不安定な状態が継続
この大雨をもたらしている要因は、東日本から日本の東にのびる前線です。この前線に向かって、太平洋高気圧の縁をまわる暖かく湿った空気が流れ込んでいます。さらに、日中の気温上昇や上空の気圧の谷の影響も加わり、大気の状態が非常に不安定となっています。前線は10日にかけて関東甲信地方を南下する見込みですが、11日も大気の不安定な状態が続く見通しです。このため、警戒が必要な期間が長くなる可能性があります。

予想される雨量 — 1時間に最大60ミリの猛烈な雨
関東甲信地方で予想される1時間降水量は、10日には関東地方北部で60ミリ、関東地方南部で50ミリ、甲信地方で50ミリと、非常に激しい雨となる見込みです。
24時間降水量も、9日18時から10日18時までに関東地方北部と甲信地方で120ミリ、関東地方南部で80ミリに達する見通しです。その後も、10日18時から11日18時までに関東地方北部と甲信地方で100ミリ、関東地方南部で80ミリの雨が予想されています。
このような短時間での強い雨は、急な増水や道路の冠水を引き起こす可能性が高く、外出時には特に注意が必要です。

落雷や突風にも注意
大雨に加えて、落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょうにも注意が必要です。発達した積乱雲が近づくと、これらの現象が急に発生する可能性があります。空が急に暗くなる、雷鳴が聞こえる、冷たい風が吹き始めるなどの前兆現象を感じたら、すぐに建物内に避難するなど安全確保に努めてください。また、農作物や農業施設への被害も心配されるため、事前の対策が重要です。
それでは、雨シミュレーションをみていきます。