白蛇をご神体として祀る高知県四万十市の「蛇王神社」で夏の大祭が開かれました。境内では地域を盛り上げようと作られた「土佐・蛇王音頭」も披露され、大勢の人たちが一体となって盛り上がりました。
四万十市名鹿(なしし)。小高い丘の上に、蛇王神社はあります。

境内に向かう127の石段の両脇には多くの石像が並べられていて狛犬ならぬ狛ヘビが出迎えてくれます。

神社を管理する西原正縁(さいばらしょうえん)さんです。50年ほど前、一帯の土地を取得した際に朽ちかけている社を見つけたことが管理を始めたきっかけでした。

(蛇王神社 西原正縁 権現)
「百年間、おまつりをしてなかったもので(見つけた際は)社も倒れて溶けていました。不破八幡宮の宮司さんに調べていただいたら大層偉い人助けの『蛇王大権現』さんがおられて、ここだけは地元の方が残さないといけないということから始まりました」
ご神体は白蛇。神殿にはヘビの大好物とされる卵が供えられています。

(蛇王神社 西原正縁 権現)
「大きなヘビが出てきていつも卵を食べて…。(Q.卵がなくなるペースは?)多いときはおわんに10個以上お供えしていますが毎日、半分くらいなくなる。ヘビを見られたかたは思いがけない良いことがある」
境内にはほかにも九州の「宝来宝来神社」から贈られた「夫婦白蛇蛇紋石(」もありホギホギ(宝来宝来)と唱えながらなでるとご利益があるといいます。西原さんによると、2025年は、神社にとっても特別な年だといいます。

(蛇王神社 西原正縁 権現)
「今回は60年に一度の『乙巳(きのとみ)』)といわれる非常に重要な節目の年ですので(社務所の新設や大祭の準備を)思い切ってやりました」
大祭にはおよそ200人が訪れ、境内は人でいっぱいになりました。

厳かに、神事が執り行われると、大祭を盛り上げる余興の時間です。
アフリカの民族楽器ディジュリドゥ演奏にギターの弾き語り、ジャズバンドの演奏でのどかな山間に音楽が響きわたります。

そして、今回の大祭に合わせて、新たに作られたのが、「蛇王音頭」です。幡多地域で活躍する演歌歌手の宮川伸(みやがわしん)さんが作曲し、日本舞踊家の慶祥芳之(けいしょうよしゆき)さんがヘビの動きを取り入れて振り付けしました。

参拝者たちもステージにあがり振り付けを習いながら輪になって踊りました。

(演歌歌手 宮川伸さん)
「どんな反響があるか不安でしたけど、最後はみなさんに一緒に踊っていただいたりとか『いい歌よ』と言って下さってほんとにうれしかったです」
最後には景品がもらえるジャンケン大会と餅投げが行われ、蛇王神社の大祭は2025年も大盛況のうちに幕を閉じました。

(蛇王神社 西原正縁 権現)
「今年はいい巳年(へびどし)になると思います。良いことをすると今は苦労するけど、最後は成功して楽になる安心する、とこういうここの教えですからよろしくお願いします」