ワシントン支局の涌井記者に聞きます。日本に対する25%の関税、4月に「相互関税」として発表した24%よりも上がっていますが、なぜなんでしょうか?

トランプ大統領が日本との交渉に強い不満を持っていることが表れた結果と言えます。

トランプ氏は7日に日本を含めた14か国に対して新たな関税率を発表しましたが、4月に発表した「相互関税」より税率が上がったのは日本とマレーシアの2か国だけでした。わずか1ポイントの上昇とは言え、他の国は横ばい、または下がったという状況から見て、日本の提案はトランプ氏には響いていないと言わざるを得ません。

また今後、日本がトランプ氏を説得できるような新たな提案をするのも極めて難しい状況です。

トランプ氏は各国への手紙の中で「貿易赤字は経済だけでなく、安全保障上の脅威だ」と言及し、赤字解消を強く求めましたが、日本はこれまでにエネルギーではLNG=液化天然ガス、農産物では大豆などの輸入拡大をアメリカに提示していて、切れるカードは一通り切った状況です。

20日に参院選を控える中、これまでと大きく異なる提案を出すハードルも上がっていて、日本にとって厳しい局面が続きます。