群馬県吹奏楽連盟などの口座から繰越金およそ1650万円が不正に引き出され、会計担当の50代の男性職員が不適正な処理を認めていることが分かりました。連盟などは被害届の提出を検討しています。

群馬県吹奏楽連盟によりますと、連盟と関係団体の銀行口座に残されていた2024年度の繰越金あわせておよそ1650万円がなくなっていることが、今年4月の会計監査によって判明しました。

大会の会場費や弁当代、チケットなどの印刷費の一部が未払いの状態になっていることも発覚したということです。

両団体の会計はおよそ15年にわたって50代の男性職員が1人で担当していましたが、去年末ごろから、複数の業者から「未払い金がある」と連盟事務局に連絡がありました。

今年4月、事務局がこの男性職員に通帳を見せるよう求めたところ、残高はほぼ0円で、「不適正な会計処理をしていた」と不正を認めたということです。男性職員は「申し訳ない。お金を返す気はある」と話しているといいます。

連盟によると、この男性職員は県内の自営業ですが、2010年度に連盟が事務主事として採用しています。

監査は毎年4月に行われますが、去年まで問題が発覚していなかったということです。

連盟の羽鳥宏理事長は「管理が不十分で、学校や児童、生徒のみなさん、保護者の方々、一般加盟団体のみなさまに多大なご迷惑とご心配をおかけしていることを深くおわびいたします。現在、被害届を提出する方向で警察と相談しています」とコメントしています。

連盟は、群馬県内の小学生から成人までが参加する吹奏楽コンクールや中高生のマーチングコンテスト、小学生バンドフェスティバルなどを主催していますが、今年度のイベントの開催に支障はないということです。