■ぼろぼろの服できょうだいの世話 少年が書いた漢字一文字「寒」が意味するのは…

少年以外のきょうだいたちも、あまり学校へは行っておらず、体格もかなり痩せていたという。そんな幼いきょうだいたちを、少年は、毎日のように“ケア”していた。

近所の人D
「町内会には入ってなかったんだけど、お兄ちゃんは下の子連れてバザーに来たことがある。あと紙芝居とかやった時も来てた。バザーなんかは、下の子供に『こんなのどうか?』っておもちゃだったり、古着だったり当ててあげてね。ああいうのを“ヤングケアラー”っていうんだろうなって思ってた。もうほとんど下の子の面倒は上のお姉ちゃんとかお兄ちゃんが見てた印象。(少年は)体格は細い子だよ。(身長は)150あるのかくらいの。でも下の男の子が本当にがっりがりなんで、スラっとしてるだけに見えたけど」

近所の人E
「下の子はまだ小さいのでオムツもいっぱい使うじゃないですか。そのオムツのゴミを少年が毎朝のように台車で運んでいるのは頻繁に見ましたね」

近所の人F
「このご時世でね、上のお姉ちゃんと今回の子がほとんど全部チビの面倒見ているのよね。ゴミ捨てだって10人くらい住んでて、一袋くらいなんだよ。ちゃんと食べてるのかな、大丈夫なのかなっていうのは思ってた。そのお兄ちゃんが着てる服に、穴が肘にもズボンにも空いていて…。(季節は)今ぐらいの寒いときでね。こんなときに、穴空いて着てる子いないからね。つるつるのちっちゃいので。ズボンも短かった。『この子は何だろう?』って思ったの」

小学校の卒業アルバムには「一年間をふり返って 漢字一文字」を書くページがあった。少年が書いた漢字一文字は、「寒」だった。

アルバムにはほかにも「みんなのプロフィール」という自己紹介ページが。そこには自分の「宝物」を挙げる項目があった。

ほかの生徒が、思い思いに、自分なりの宝物を書くなか、少年の欄には…「宝物」の記載がなかった。


■事件前に“足を引きずる”少年の姿 異変は見逃されたのか?

実は、事件が明らかになる前の去年の終わりごろ、近所の人がけがをした様子の少年を目撃していた。

近所の人G
「今回の子の家族が家の前でバーベキューをしていました。家族全員で座っているときに、少年がうずくまって座っていて、バーベキューが終わって片付けをして立ち上がるときに、少年が足を引きずって歩いていたんです」

捜査関係者によると今回少年の上半身にあった複数の骨折には、真新しいものもあれば、古い痕もあったという。

今回、少年を死に至らしめた強い暴行よりも前にも、何らかの原因で、骨折をするような大けがをしていたということだろうか?

少年が学校にほとんど通っていない状況や、けがをした様子を見ていた近所の住民たちは「行政側に相談をしていた」と証言する。

近所の人G
「どうにかしてほしいねって市役所に相談に行ったりしていました」

近所の人C
「児童相談所にも相談していたので…もっと対処できたのではと思った」


■学校は? 白岡市は? 行政は少年に…


近所の人によると、少年の家に、学校関係者とみられる人物が訪ねてきたこともあったという。

近所の住民H
「学校関係者が家庭に行くと、「コロナで行かれない」って(答えていたみたい)。(きょうだいの)面倒見ているからとは言えないでしょ。先生なのか教育委員会なのかわからないけど、そう言われたら何も言えなくなる」

中学校と白岡市は取材に対し、警察が捜査中であることや、個人のプライバシーに関わる、などの理由で、少年の状況について「答えられない」としている。