カトリック教会の新たなトップに選ばれたレオ14世。いま、注目されているのが、世界中で問題となってきた聖職者による性虐待への対応です。日本での被害を教皇にも知ってほしいと訴える女性がいます。
救いを求めた教会で…傷ついた信仰と沈黙

「ミサに来ることで、何とか今日一日生き延びようと」
田中時枝さん(64)は長年、カトリックの信仰を心の支えに生きてきました。しかし、その信仰を深く傷つける出来事がありました。

田中さん
「恐怖がつきまとって、生きていていいというふうに思えないような感じでずっと生きてきた」

田中さんは、10代のころ受けた性暴力のトラウマを、誰にも話せないままずっと抱えてきました。その苦しみを言葉にできたのは、約10年前。50代だった当時、通っていた長崎県内の教会で、ある外国人の神父に思いを打ち明けます。
田中さん
「そこで自分がまた癒されていくことを期待していた。望みをかけていた、信仰に」
救いを求めて、頼った教会。ところが、話を聞いた神父は“トラウマの治療”と称し、次第に性的な暴力をふるうようになったといいます。
田中さん
「『僕を信じないのか』『従わないのか』と、聖書にもそういう箇所が出てくる。何かおかしいと思っても、相手が神父様と言われる人だったので、従わざるを得ないみたいな感じにだんだんなっていった」
神父は“神の代理人”。行為がエスカレートしても拒むことはできず、その苦しみを誰にも打ち明けることもできませんでした。

田中さん
「信仰の厚い神父とか、シスターとか、その人たちのために何も言えない。自分を犠牲にして、殉教するんだと。恐怖の牢獄の中に、ガス室の中に生きてるような。深い深い絶望の中で、ただ死ななかっただけ」














