■感染後のワクチン接種の必要性

良原アナ:
今年に入ってからの感染拡大を受けて、全国の感染者数は1月から2月20日にかけて約276万人にも上ります。3回目のワクチン接種について、SNS上ではこのような声も聞かれています。

「オミクロンに感染。抗体できたしワクチン打たない」

一方、感染したが3回目のワクチン接種を受けたいという方のなかには、「感染から回復してすぐにワクチン接種して大丈夫?」との不安な声も聞かれました。これに対して厚生労働省は「感染後から追加接種までの間隔は、暫定的に3か月をひとつの目安とする(ただし希望すれば3か月以内でも接種可能)」と回答しています。

井上キャスター:
インターネット上にもテレビの中にも情報が氾濫し、視聴者は自分の判断で、様々な情報を精査していかなければならないのではと思います。

ホラン千秋キャスター:
ひとつ情報が出ると、その内容を否定するような情報が出てくる。どれが正しいのか判断に迷う方が多いと思います。「すでに感染したから3回目は接種しなくていい」という方もいますが、感染後の3回目ワクチン接種の必要性について、抗体が出来ているから必要ないのかという点を含めて教えていただけますか?

松本哲哉氏:
最近よくこの質問を受けます。ワクチン接種のスケジュールと照らし合わせて、感染から回復した後は早めに受けてもいいのでしょうかということですね。

接種自体は問題ありませんが、感染から回復後すぐに接種してしまうと副反応が強く、抗体価は上がりますが、強い副反応を考慮すると一定期間、最低でも1か月程度の接種間隔をおくべきではないかと考えます。

すでに感染したのでワクチンを接種しなくても良いのかという点についてです。確かに感染後、短期間であれば抗体価が上がりますが、感染により誘導される抗体価というのは比較的早く下がってしまう面もあるので、回復後に一定期間をおいてから、ワクチン接種するのが望ましいと考えます。

井上キャスター:
感染で得られる抗体とワクチン接種で得られる抗体とでは違うという点は大変重要ではないでしょうか。

松本氏:
感染により得られた抗体でもある程度の予防は出来ますが、ウイルスの種類によって異なります。オミクロン株には対抗できたが、他のウイルス株には対抗できないかもしれない。やはりそういった意味でもワクチンは接種しておくべきかと思います。