「ルフィ」などと名乗る指示役による連続強盗事件で、組織幹部の裁判がきょう始まりました。組織の“金庫番”だったとされる幹部の男は、裁判で何を語るのでしょうか。

小島智信 被告(47)
「間違いありません」

きょうの初公判。組織幹部だった小島智信被告(47)は、起訴内容を全て認めました。

2022年から相次いだ「ルフィ」などと名乗る指示役による一連の強盗事件。逮捕・起訴された小島被告は、事件を指示したとみられる犯罪組織の幹部4人のうちの1人でした。

「新たな治安の脅威」とされた一連の事件。注目されたのが「闇バイト」の存在です。事件の実行役は、SNS上で高額報酬をうたう「闇バイト」として集められ、指示役から秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で指示を受けながら、特殊詐欺や強盗を繰り返していました。

組織の“ナンバー2”とみられる小島被告。特殊詐欺事件をめぐる窃盗や詐欺のほか、東京・中野区や稲城市などの3つの強盗事件で実行役を紹介した強盗傷害ほう助の罪などに問われています。

裁判長
「読み上げた事実について間違いはありますか?」

小島智信 被告
「いいえ、間違いありません」

およそ30分かけて読み上げられた22件の事件の起訴内容について、小島被告ははっきりとした口調でこう答え、全て認めました。

小島被告が事件にどのように関わり、組織の中でどのような立場だったのか。検察側と弁護側の主張が対立しました。

検察官
「被告人は組織の“金庫番”として活動していた」

検察側は、特殊詐欺事件をめぐって小島被告が「組織の資金管理や、だまし取った金の回収などを指示していた」とし、「組織のトップである渡辺優樹被告に次ぐ地位で重要な役割を果たした」と指摘。

さらに、強盗事件については…

検察官
「ツイッターに闇バイトの求人を出し、実行犯を確保していた」

継続的に実行役の勧誘などを行っていたとし、「一連の強盗事件で重要な役割を果たした」と指摘しました。

一方の弁護側は…

弁護人
「小島被告は浮いた存在。グループにとってどうでもいい存在だった」

強盗事件への関与について「消極的だった」と主張。「小島被告は渡辺被告らに人員を用意しろと頼まれ、恩人の渡辺被告の頼みをむげに断ることはできなかった」としました。

この裁判には、組織の別の幹部も証人として出廷する予定で、犯罪組織の実態が解明されるか、注目されます。