コメの価格が高騰するなか、二期作が行われている石垣島では先月、全国で最も早く稲刈りが行われました。収穫量が従来から2割から3割ほど多いという新品種を栽培した農園を取材しました。

山田精米所 山田義哲 代表
「この品種が『ゆみはりづき』です」

石垣島の水田で栽培されているコメの新品種に、今年3月に登録された「ゆみはりづき」です。

開発した愛知県の技術者が先月17日、収穫作業に合わせて石垣島を訪れました。

▼「ゆみはりづき」を開発 地主建志さん
「向こう(本土)で展開しているゆみはりづきを、石垣島に合うように改良した系統を今、試しているところです。味も工夫してありまして、こちら(石垣)では『ミルキーサマー』という品種が有名だと思うんですけど、それと同じような低アミロース米、柔らかくて粘りがあるタイプのお米ができるタイプの品種になります」

暑さに強く、収穫量は従来品種より2割から3割多いという「ゆみはりづき」。市内で精米所を営む山田義哲代表と茨城県で農園を営む照沼洋平さんが共同で、栽培に取り組んでいます。

照沼さんが遠く茨城からわざわざ石垣島まで来て米作りをするのには理由がありました。

茨城県で農園を営む 照沼洋平さん
「石垣島に来て去年1期目のお米を取ったときに、石垣島って平均暖かいけど、水戸よりも暑くならないから、お米の見た感じが物凄くきれいだったんですね。この温暖化でも石垣島はまだまだ35度を超えていないなかで、もしかしたらお米の産地になりつつあるのではないのかな、というふうに考えています」

実は今、石垣島はコメの栽培に適した地域になりつつあるして、他府県から注目を集めているといいます。その理由は“暑すぎない”夏の気候です。

▼「ゆみはりづき」を開発 地主建志さん
「おそらく今日(6月中旬取材)の愛知の気温は38度くらいになっていると思うんですね。内地では暑さが非常にお米の出来に影響する状況になっていて、一方で石垣島は暑くても35度と、とても私どもにとって涼しく感じる。実際にできたお米を見てもとても良いものが出来ています。そういった意味では石垣島の稲作、これからますます期待できるのではないかと考えています」