青森が誇る「海産物」が再び中国へ届けられることになりそうです。
中国当局は29日、福島第一原発の処理水放出を受けて停止していた日本産水産物の輸入を一部再開すると発表しました。約2年ぶりです。
中国税関総署は29日、日本産水産物の輸入を再開すると発表しました。
2023年8月の輸入停止からおよそ2年―。
青森県も輸出ができるようになり、県内の水産事業者からは安堵の声が上がります。
県内の水産事業者
「私たちの会社としては歓迎します。(再開に)なったからといって、難しい部分があり、日本側は施設の再登録が必要になってきます」
県外に本社を置くこの事業者は、青森県や北海道の加工業者からホタテやサケ、タラなどの水産加工品を仕入れていて、禁輸措置が行われる2022年以前は中国に年間約8000トンを輸出していました。
県内の水産事業者
「本来は中国向けに90~100%近くやってきたので、中国向けにはいくと思います」
禁輸措置で特に影響を受けたのは、主な輸出先が中国だった「ホタテ」や「ナマコ」です。ジェトロ青森によりますと、2023年は中国へのホタテの輸出量が前の年の半分以下となりました。
これに伴い、輸出量は約7割に落ち込み、北米や東南アジアへの販路拡大をする動きも見られました。
県漁連は、輸入再開を喜ぶ一方で、再び同様の措置が取られた場合のリスクも懸念しています。
県漁連 熊木正徳 専務理事
「販路開拓したところはパイプを、もっと太くしていかなければいけないし、中国はいつまたどうなるかわからないという状況だと、(輸出を)続けていかなければいけないだろうけれども、警戒感を持ちながらやっていかなければいけないと、みんな思うこと」
今回の輸出再開の発表で、すぐに中国へ出荷できるわけではなく、水産業者は今後、加工施設などを改めて中国当局に登録する必要があるため、実際に輸出が再開されるには、もうしばらくかかりそうです。