「差別と偏見の歴史を学びたい」との思いからです。歌手の加藤登紀子さんが、瀬戸内市にある国立ハンセン病療養所長島愛生園を訪れました。

「家族と一緒に暮らせないのはつらいですよね」

(長島愛生園 田村朋久さん)
「正面が、患者さんが収容される際に使用した桟橋です。今、崩れているんですけども、ここからたくさん患者さんが上陸してきました。一番若く、愛生園に入ってきた人は6歳という方がいらっしゃった」

(加藤登紀子さん)
「家族と一緒に暮らせないのはつらいですよね」

かつて船で運ばれきたハンセン病の患者が、施設に入所するために渡った「収容桟橋」について、学芸員の説明を熱心に聞きます。長島愛生園を訪れた、歌手の加藤登紀子さんです。

主に皮膚や抹消神経が侵されるハンセン病。感染力は極めて弱く、隔離に医学的な根拠はないにもかかわらず、国は強制隔離を続けました。加藤さんは以前からこのハンセン病について療養所に来て学びたいと思っていたといいます。

(長島愛生園 田村朋久さん)
「ここに小さな浴槽があるんですけれども、かつての消毒の風呂になります」