ブランドの安心よりも「ちょうどいい価格」の風潮

出水キャスター:
そんな中、私が注目したのは「ブランド信仰より“ちょうどよい”」という今の流れです。
かつて日本には、白物家電を製造する企業がたくさんありました。ある種のブランド振興みたいなものがあったんです。
しかし今、それがだいぶ薄れてきました。「シャープ」では、テレビ事業は継続しているものの、テレビ向け液晶パネルについて堺工場の生産停止。「パナソニック」では、テレビ事業の売却・撤退を検討しています。
その結果、家電量販店の「エディオン」や「ヤマダ電機」などがプライベートブランドの家電を販売したり、「ドン・キホーテ」が冷蔵庫を作ったりしているということなんです。
なお、ドン・キホーテが販売しているのは「情熱価格×ハイセンス 162L冷凍冷蔵庫」4万9390円(※価格は店舗により異なります)。

この「ちょうどいい価格」に向けて、メーカーはどういった工夫をしているのか。家電ジャーナリストの安蔵靖志さんに教えてもらいました。
例えば「ドラム式洗濯乾燥機」ですと、▼洗剤・柔軟剤の自動投入機能を無くす。▼乾燥機能の構造を簡素化する。そうして低価格に抑えている。
「液晶テレビ」に関しては、▼液晶の画質を抑える。▼音質をコストダウンする。ということで、主に画質と音質を少しクオリティを下げることによって、価格を抑えているということです。
いま、こうした「ちょうどいい価格」を欲している人が多いということです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
ニトリのビジネスは国内だけではなく、海外でも展開している。その海外でうまくいったやつを日本にまた取り込むこともあるし、日本でうまくいったやつを海外に輸出することもあって、そこもうまく回っているポイントだと思います。
出水キャスター:
かつて日本のメーカーは家電も強かったですけど、プレイヤーが変わってきているという実態については、どうでしょう。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
確かに昔はブランドの安心があったけれども、どんどんリニューアルしていく力の方が、最近は重視されているのではないですかね。
山本匠晃キャスター:
液晶テレビでは、画質を抑えて、音質コストダウンして、価格を抑えた。画面は大きい方がいいという人は、その分大きいものを買える。選択肢が増えていいと思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年