年々暑さが厳しくなっている夏、高知県内の企業は新たな熱中症対策への取り組みを進めています。
県内では夏の暑さと梅雨のジメジメした空気によって、立っているだけで汗が出てくる日が続いています。そんな中、屋外で一日6時間ほど作業する作業員にとって熱中症対策は深刻な課題です。建設会社・清水新星は6月9日から建設現場にかき氷ステーションを設置しました。


作業員にかき氷を食べてもらうことで、身体の中心部の体温「深部体温」を下げるほか、楽しみながら水分補給をしてもらうねらいです。休憩時間になると作業員たちはかき氷を削り、好きなシロップを回しかけます。以前から行っていた塩分補給の飴やドリンクなどの対策と違って、かき氷を楽しむ時間が体調を確認し合う場になっているといいます。

(社員)
「休憩中に(かき氷を)食べられて、体が冷えて仕事がはかどります」

(社員)
「涼しくもなりますし、休憩もとれているので、リフレッシュして仕事を再開できると思います」

(清水新星 清水映至 代表取締役)
「かき氷だったら時間もゆっくり、まったりした感じで社員同士が話をしながら、相手の体調も話をしてわかるというコミュニケーションの時間も増えると思うのでやってみて正解だったと思います」


福留開発では最新デジタル技術を用いて熱中症対策に取り組んでいます。このうち安全モニタリングシステムはヘルメットに装着した機器で、作業員の体温や脈拍数などから熱ストレスレベルを5段階で算出します。軽量で作業の妨げになりにくいメリットもあります。情報は事務所の大型モニターで確認できるほか、レベルが高い時は作業員にアラームで知らせ、休憩を促すシステムです。

またAIカメラは、顔色や表情から作業員の体調を認識し、熱中症リスクを判断します。福留開発によりますとデジタル技術による見える化で、作業員の体調や現場状況を把握しやすくなっていて、システムを導入した6月上旬以降、熱中症になった作業員はいません。

(福留開発 土木部土木課兼ICT推進室 足達大輔 課長)
「どうしても屋外で作業するので、より快適な環境をつくることが、今後の就職してくれる担い手の確保にもつながってきますし、より働きやすい建設業界に変えていけたらなと思います」


グッズを活用すれば個人でできる熱中症対策もいろいろあります。高知市潮新町にあるワークウェイ本店には熱中症対策グッズがズラリ。炎天下での仕事などで熱中症を防ぐ効果が期待できるのがペルチェベストです。

空調服や作業着の中に着用して使うベストで、取り付けた冷却プレートを充電式のバッテリーの電力で冷やすことで効果を発揮します。

(ワークウェイ高知本店 川﨑朗広 店長)
「30度を超えた炎天下で工事現場で解体だったり、建築現場でやられているお客さんは、過酷な状況で肉体労働をされていますので、体に負担がないように(熱中症対策グッズを)うまく活用して熱中症にならないよう気をつけていただきたい」

さらに気軽に対策として使えるのが「インナー」です。肌に触れると冷たく感じる機能のほか、汗を素早く吸って乾かす機能もあるため、屋外での仕事やスポーツの現場での着用に適しています。

着るだけでいい手軽さや値段も高くないことなどから、中高生にもおすすめということです。年々暑さが厳しくなっていく中、それぞれに適した熱中症対策をとることが重要です。