霧島連山の新燃岳は、26日、再び噴火が観測され、宮崎県高原町と小林市野尻町では降灰がありました。
新燃岳では依然、火山性地震の多い状態が続いていて活発な火山活動が続いています。

26日午前7時58分ごろ、降灰があったと高原町役場から気象台に連絡があり、気象台は午前9時5分に新燃岳で噴火が発生しているもようだと発表しました。

雲のため火口の状況などは分からず、噴火に伴うと考えられる空振は観測されませんでしたが、高原町では降灰が確認されました。

(住民)
「きのう、その前に洗車したばかりだけど、きょう帰ってきたらこんな感じだった」
「大きな噴火じゃないからまだ今のところは心配していないけど先々ちょっと心配。これだけ続けば。」

(渕 雅顕 記者)
「高原町の広原地区に来ていますがいまパラパラと火山灰が振っていて車の窓ガラスを見てみるとはっきりとその様子が分かります」

高原町広原の新保弘幸さんの自宅敷地内では、26日朝、うっすらと灰が積もっていました。

(新保弘幸さん)
「9時半ごろに外に出たら、外がうっすらと降灰のあとが残っていて、上空を見たら、少しパラパラと火山灰が降ってきている状況だった」

2011年の噴火の時には避難生活も経験したという新保さん。
雨戸を閉めたり、非常用の持ち出し袋を準備したりと大規模な噴火に備えています。

(新保弘幸さん)
「前もって準備しておくと最悪な状態を避けられるので、そうしている。長引くと農家さんとかも大変なことになるので、早く収まってほしい」

新燃岳は、26日午後0時50分と午後3時7分にも噴火が観測され、噴煙が火口から1000メートルの高さまであがりました。

また、26日午後5時までに火山性地震が220回、地下の熱水やマグマの動きを示すとされる火山性微動が3回観測されています。

万が一の事態に備え、小林市の担当者は、噴石や空振に備え、家庭でも対策をしてほしいとしています。

(小林市危機管理課 濵崎一博さん)
「自宅の窓ガラスに飛散防止フィルムを貼るとか、ガラスが割れて飛散したときのために室内にスリッパを準備するとか、そういった対策をしてほしい」

また、避難生活に必要なものを準備しておくことや市のホームページに掲載している防災マップも確認してほしいと呼びかけています。

(小林市危機管理課 濵崎一博さん)
「火口からの規制範囲図や、仮に噴火した場合の火砕流溶岩流の流れる想定と、どのあたりまで流れるのかの想定を記載しているので、HPで確認してもらえれば、市の職員を含めていつ噴火をしてもすぐに対応できる態勢をとっていきたい」

気象台は、火口からおおむね3キロの範囲で大きな噴石などに警戒を、また、2011年の噴火と同様に爆発による空振が発生し、窓ガラスが割れるなどの被害が出るおそれもあるとして、注意を呼びかけています。