入所していた児童養護施設で性的虐待を受けた20代の女性が、施設を運営する社会福祉法人と当時の施設長を相手取り、損害賠償を求める裁判を起こしました。

提訴した女性「おかしいと思っても行く場のない私は逆らうことができない精神状態にされていました。もちろん悪いのは加害者です。でも私は助けてほしかった」

提訴したのは、荒尾市の児童養護施設に入所していた現在20代の女性です。
訴状などによりますと、女性は中学生だった2014年ごろから数年間にわたり、施設の1人の職員から性的虐待を受けました。
加害職員は2022年に児童福祉法違反の罪で実刑判決が確定しましたが、女性は施設が性的虐待を未然に防ぐ義務を怠ったなどとして、今回の裁判で施設を運営する社会福祉法人と当時の施設長にあわせて2200万円の損害賠償を求めています。
また、刑事裁判中には加害職員が個人情報を外部に持ち出していたことが発覚したものの、女性は施設がその後、適切な対応を取らなかったと訴えています。
提訴後に会見を開いた女性は「自分のような思いをする子どもがこれ以上出ないように施設の責任を認めてほしい」と話しました。
提訴した女性「謝罪の場で仮眠をとっている人がいたくらいふざけた対応を取っていたので、ものすごく怒りがあるし、責任を果たしてほしい」

一方、施設は「訴状が届いていないのでコメントは控えさせていただきます。訴状をよく見て適切に対処致します」としています。