柔道の元世界女王で、松本市出身の堀川恵選手が現役引退を発表し、これまでの応援に感謝を述べました。

堀川恵選手:「柔道というこんなに自分が夢中になれる競技に出会えて、こんなにもたくさんの人に応援していただいて本当に最高の柔道人生でした」


堀川選手は25日都内で会見し、現役引退を発表しました。

堀川恵選手(旧姓・津金)選手は、松本市出身の29歳。
松商学園高校2年のときシニアの国際大会「グランドスラム」で当時・史上最年少の17歳で優勝、一躍、脚光を浴びました。


3年前の2022年の世界柔道選手権ではオール一本勝ちで、世界女王に。
豪快な「内股」を武器に、日本、そして世界の一線で活躍を続けてきました。

一方、「集大成」と位置付けた2024年のパリオリンピックは、国内の代表争いのすえ出場は叶いませんでした。
当時を振り返って――

堀川恵選手:「人生で初めて、1か月くらい誰とも連絡を取りませんでした。どうしても思い出すと、ちょっとフタをしたいくらい」


涙を見せながらも、「悔いはない」と真っすぐ語った、堀川選手。

地元の関係者は。

父・津金武寿さん:「本当によく頑張ったなっていう一言。3歳から柔道をやったんだけども、ブレずに頑張ったなっていうことに対して、ご苦労様ですって」


父で、県柔道連盟会長の津金武寿(つがね・たけとし)さん。

海外の大会にも駆け付けるなど堀川選手を一番近くで応援し、だからこそ、活躍の裏にあった苦労や葛藤も知っています。


父・津金武寿さん:「負けるんだったらもう思いっきり負けろと。もう負けてバーンと。それで、まずそれで悔しいなと思ったら続けりゃいいし、こんなもんか私はと思ったら自分で引き際を考えりゃいいしとは話はしましたけどね」

父のもとからスタートした柔道生活も、これで一区切りです。

父・津金武寿さん:「十二分に楽しませてもらったってことで、感謝しかありません。人生これからですから、その辺はまた違った意味で応援したいと思います」

中学時代に指導した誠心館道場の村山洸介館長は、同級生の存在も活躍の原動力になったのではと話します。

誠心館道場 村山洸介館長:「元々のめぐの性格からすれば、多分もっと早い段階でもういいやってなってたと思うんですけども、でもそれ(世界一)が叶ったのはやっぱり(出口)クリスタの存在が大きかったんだと思います。クリスタが世界チャンピオンになる姿を見て、めぐもやっぱりどうしようかなっていうのを、それで『いや、私も頑張ろう』って言って頑張ったと思うので」

柔道で培ったものを、これからの人生に生かしてほしいとエールを送ります。

誠心館道場 村山洸介館長:「どの道を行っても柔道をこれだけ頑張った選手なので、いろんなものを手にしてると思うんです、中に。なのでそれをぜひ外に向かって解放していろんな場面で活躍してほしいなというふうに思います」

堀川選手は所属企業を今月末で退社し、今後は柔道教室などを通して柔道の魅力を伝えていきたいとしています。


堀川恵選手:「選手としては一区切りを迎えますが、柔道への愛はこれからも変わりません。きょうまでの私を本当に誇りに思っています。長い間、応援ありがとうございました」