特殊詐欺による被害が止まりません。高知市に住む50代の女性が、自宅の固定電話にかかってきた自動音声ガイダンスの電話をきっかけに、"東京地検"や"警視庁"を名乗る男らに電話で指示され、およそ3187万円を騙し取られていたことがわかりました。
高知県警によりますと、5月初旬、高知市の50代女性の自宅の固定電話に、「あなたの携帯電話が2時間後に使えなくなる」「番号を押してください」などと、自動音声ガイダンスが流れる電話がありました。
女性がガイダンスに従って番号を押すと、"NTTドコモ"を名乗る人物に電話がつながり、その人物は「あなたの通帳が犯罪に関わっているかもしれない」など言うと、電話は"東京地検のキムラ"と名乗る男に代わりました。
そして"東京地検のキムラ"は、「フジイリョウヘイという男の自宅から、何人かの通帳が見つかって、あなたの名前が出ている」「口座を調べるために、お金の記号などを調べる必要がある」などと言い、その電話のやり取りの中で、女性は"東京地検のキムラ"に携帯電話番号を伝えました。
すると5月12日に、女性のもとに「+」から始まる番号で"警視庁のワダ"を名乗る男から電話があり、"警視庁のワダ"は、その後のやり取りの手段にSNS(コミュニケーションアプリ)を使うよう指定し、女性にSNSアカウントの登録を指示しました。
そして女性は、"警視庁のワダ"から「お金を金融庁で調べるために口座を開設してほしい」「1ヶ月分の生活資金を残して、全ての現金を移してほしい」などと言われ、新たに開設した口座にお金を振り込んだり、開設した口座のログインパスワードを教えて出金されたりして、5月23日ごろまでの間に、合計でおよそ3187万円を騙し取られたということです。
高知県警によりますと、2025年に発生した特殊詐欺被害のおよそ7割が、かかってきた電話番号が「+」から始まる"国際電話"によるものだということです。高知県警は「警察官が『+』から始まる国際電話番号や、SNSのアプリを使って連絡することはない」と注意を呼びかけています。