今回の停戦、なぜこのタイミングだったのでしょうか。中東支局長の増尾記者に聞きます。

イスラエル・イランの双方ともに、この戦闘を長引かせたくなかった。そういった狙いがあったんだというふうに思います。

イスラエルからすれば、アメリカを引きずり込んで念願だった核施設への攻撃を行った。そして、弾道ミサイルの発射施設も攻撃した。こうした軍事的な成果とは別に、イスラエルは今でもガザで軍事作戦に臨んでいますので、軍事的にも国内の世論的にもこの戦闘を続けるのではなく、ここで一旦打ち切りたかったという狙いがあると思います。

一方のイランとしても相当のダメージを受けました。革命防衛隊や軍高官らまでもが次々に殺害され、指揮系統が狂っているという情報もあります。このまま戦い続けるというのは困難だろうというふうに判断したものとみられます。

Q.トランプ大統領はここまでのことをある程度描いた上で行動をとっていたのか、たまたま停戦に結び付けることができたのか?

トランプ大統領自身も賭けに出たというふうにみてもいいと思います。といいますのは、このイランにとって核施設を攻撃するということはレッドラインだと。これは絶対にやってはいけない、もしやられたら私達も大きな対応を出るというふうに何度も何度も強調していましたので、イラン側の対応というのは、この攻撃前の段階では読むことができなかったんです。

結果的には、イランとしてはここで打ち切ろうというふうになりましたが、これがもしイランがさらに攻撃を大きくしていて、そしてアメリカがさらに攻撃をしていて、この攻撃の応酬が繰り広げていた場合は、ほかの国にこの攻撃、そして戦闘が及んでいた可能性はありますので、今回としてはうまくいきましたが、トランプ大統領としては賭けに出たというふうに感じています。