緊迫する中東情勢で大きな動きです。攻撃の応酬を続けていたイスラエルとイランが停戦で合意したとアメリカのトランプ大統領が発表しました。

13日にイスラエル軍の「先制攻撃」で始まったイスラエルとイランの攻撃の応酬。21日にはアメリカ軍が参加し、さらなる衝突の拡大が懸念されていましたが…

イラン国営メディア
「イスラエルがイランに押しつけた戦争が『停戦に入る』とトランプが主張した」

アメリカのトランプ大統領がSNSで「停戦合意」を発表したのです。

アメリカ トランプ大統領
「イスラエルとイランの間で12時間の完全かつ全面的な停戦が合意された。その時点で戦争は終結したと見なされる」

その内容は、日本時間午後1時をめどに、まずイランが停戦に入り、その12時間後にイスラエルも停戦に応じるというものです。

この発表の直後、バンス副大統領はFOXニュースに出演。アメリカの攻撃で「イランは核兵器の製造能力を失った」と主張し、こう強調しました。

アメリカ バンス副大統領
「(トランプ)大統領はリセットボタンを押したのだと思う。そして『地域に長期的な平和を築こう』と言ったのだ。それが常に彼の目標だった」

これに先立ち、イランはカタールにある中東最大のアメリカ軍基地に報復攻撃を実施。

14発のミサイルを発射していましたが、トランプ氏は「事前通告のおかげで死傷者は出なかった」などと、イランとの間で一定の信頼関係が構築されていたことを示唆しました。

今後、停戦は守られるのでしょうか。

イランのアラグチ外相は…

イラン アラグチ外相 
「イスラエルが違法な侵略を停止すれば、我々も反撃を続けるつもりはない」

一方、イスラエルのネタニヤフ首相も「核の脅威を排除するという目的を達成した」として、停戦に合意したと表明しました。

こうしたなか、トルコ東部のイランとの国境では…

記者
「トルコ東部のイラン国境です。イランがアメリカ軍基地への攻撃を発表し、緊張が高まるなか、国境にはイランから逃れてきた人たちの姿が多くあります。大きな荷物や子どもたちの姿も見られます」

なかには、バックパックを持って座り込んでいる男性も。テヘラン郊外から逃れてきて、身を寄せる場所を見つけるため、友人に電話しますが…

テヘラン郊外から逃れてきた男性
「たった今、国境を越えてきたんだ。誰か泊めてくれる人を知らない?」
電話の声
「友よ、すまない」
テヘラン郊外から逃れてきた男性
「OK…」

断られてしまい、途方に暮れます。

市民の生活を一変させた衝突は今後、収束するのか。イスラエル・イラン双方が停戦を実行し、継続できるかが当面の焦点となります。