慰霊の日に、沖縄全戦没者追悼式に参列した国連の中満泉事務次長。24日は、首里城地下に広がる戦跡・第32軍司令部壕などを視察しました。今回の沖縄訪問で、国連軍縮部門トップの中満事務次長は何を感じたのでしょうか。
▼中満泉 国連事務次長
「国家間の信頼関係が崩れ、アメリカのイランへの武力行使を経て、中東地域のエスカレーションの危機が迫る今こそ、戦争への道ではなく、平和と共存への道を。そして、核兵器のない世界への道を冷静に探ることが必要です」
23日、沖縄全戦没者追悼式に参列したのは国連の中満泉事務次長。日本人女性として初めて事務次長に就任し、国連軍縮部門のトップを務めています。
▼中満泉 国連事務次長
「ここ沖縄から、戦禍が拡大激化している世界に再び平和を呼び戻すために、私たちが今なすべき行動について改めて考えましょう」
戦後80年、中満事務次長が沖縄で見つめる平和へのヒントとは―
中満事務次長は24日、県庁で玉城知事と面談し、話題は若い世代への「平和」の継承について。
▼玉城知事
「本来なら80年というこの節目は全国の80年であるべきだと思う」
▼中満泉 国連事務次長
「平和の礎に名前がみんな載っているというのはものすごく重要なことですよね。ひとりひとりに名前があったんだって。そういう人間に焦点をあてた形で戦争の実相、事実をきちんと認識し、理解していく」
犠牲者をひとりの人間として感じることのできる平和の礎の存在は、平和を考える大きなきっかけになると強調しました。
日本被団協の田中重光代表委員(84)と訪れたのは、来年完成予定の首里城。
▼県担当者
「今年度は第一坑口の発掘調査を行っていきます」
第32軍司令部壕なども視察し、沖縄に残る戦争の跡に触れ、その後、沖縄のこれからの平和をつくる学生約20人と座談会を行いました。
▼中満泉 国連事務次長
「自分の周りでこういう問題があった、そのことについてどうしようかと考えることが、多分一緒に行動していくことにつながって平和につながる」
中満国連事務次長は、24日夜には県主催のシンポジウムに登壇する予定です。