22日に噴火した霧島連山の新燃岳では火山ガスが急増し、24日は火山性地震の回数が600回を超えています。
気象台は噴火警戒レベルを引き上げ、火口からおおむね3キロの範囲で警戒を呼びかけています。

こちらは、立ち入り規制の外から撮影された24日の新燃岳の写真。火口から白い噴煙が立ちのぼっているのが分かります。

22日、7年ぶりに噴火した新燃岳。
火山活動はさらに高まった状態になっているとして、23日、噴火警戒レベルが入山規制の「3」に引き上げられました。

新燃岳のふもとでは、23日、1日当たり4000トンの火山ガスの放出が観測されました。

(宮崎地方気象台 重信有三火山防災官)
「今回噴火したので、火口がふさがれていたところに穴が開いて、火山帯の下にガス等の揮発性成分がたくさんあるが、一気に出てきた可能性はあって、(火山ガスが)増加した可能性はある」

先月15日の調査では火山ガスは検出されておらず、4000トンの火山ガスが観測されるのは、爆発的噴火など火山活動が活発だった2018年3月以来です。

(宮崎地方気象台 重信有三火山防災官)
「これまでほとんど観測できなかった火山ガスが今回検出されているわけなので、今後、活動が活発化する可能性は当然出てくる」

噴火警戒レベルの引き上げに高原町民は。

(高原町民)
「2011年にちょうど東京から帰った時で、すごく(火山灰が)積もって、大変な目にあったから、あんなにならなければいい」
「噴火しないでほしいけど、何とも言えない。自然の摂理でしょうから」

気象台は24日も火山ガスの放出量などの調査を行いました。

(鹿児島地方気象台 佐波瑞恵予報官)
「昨年度からの活動の経緯を見ていると、今までにない活動なので、どういうふうに展開するか分からないといったところでも警戒をしている。」

新燃岳では、24日午後5時時点で、地下のマグマや熱水の移動を示すとされる火山性微動は確認されていませんが、火山性地震が急増し、600回を超えています。

また、新燃岳の南東およそ3キロにある高千穂河原観測点では、23日から北西上がりの傾斜変動が観測されています。

噴火警戒レベルの引き上げにより、新燃岳の火口からおよそ3キロの範囲の一般道に加え、夷守岳や高千穂峰などにつながる登山道の立ち入りは規制されています。