東日本大震災で被災し統合された宮城県名取市の小学校と中学校の校歌を後世に残そうと、卒業生らが歌われなくなった校歌を合唱し、収録保存しました。
名取市にある小中一貫校の閖上小中学校です。11月6日、体育館に20代から70代の男女およそ30人が次々と集まってきました。この日、閉校した小学校と中学校の校歌の収録が行われますした。

収録されるのは、津波で被災した名取市立閖上小学校と中学校の校歌。

両校は、2018年に統合され、それぞれの校歌は歌われなくなりました。企画したのは、歌手で、栗原市のオーバーザレインボウ基金代表のかの香織さんです。

かのさんは学校がなくなっても校歌は残すべきと考え、2019年から震災で閉校した県内6校の校歌を収録してきました。
オーバーザレインボウ基金代表 かの香織さん:
「校歌は若い子も70~80のお年の方も一緒に繋がれるパワーソング。いろんな所でこの校歌プロジェクトを広げていけたらいいと思う」

まずは、旧閖上小学校の校歌を収録します。卒業生は、久しぶりの校歌に少し緊張している様子。年はバラバラですが世代を超え一緒に歌います。タイトルは「あなたもぼくも」です。

旧閖上小学校校歌:
「ラランラランラララランララララン あなたもぼくもあなたもぼくも 朝あけの翼するどいかもめどり 清い希望が呼んでいる」
続いて、旧閖上中学校の校歌。伴奏は、震災当時、音楽の先生をしていた菅井聡恵さんが担当しました。

旧閖上中学校校歌:
「ああ閖中生これぞわれらの守る道」

卒業生たちは、母校を懐かしみながら、古里への思いを校歌に乗せて歌いました。
70代卒業生:
「私たち現役時代の小中学校の校歌は忘れがたいし、今日はとても気持ちよく歌えました」

30代卒業生:
「校歌って世代関係なく過去と未来を繋いでいくようなそんな役割を持っているんだと感じた」

また、校歌の収録後には両校の歴史をたどる写真のスライドショーがあり、卒業生たちは当時の思い出に浸っていました。卒業しても忘れられることが惜しまれる校歌。収録した校歌は、来年1月中旬にインターネットで無料で配信される予定です。