福島県浪江町に伝わる南津島の田植踊りが、今年11月に行われる全国民俗芸能大会に出演することが決まりました。原発事故で困難な状況にありながら、学生とともに継承を続けている点などが、高く評価されました。

南津島の田植踊りは、200年以上続くとされる地域の伝統芸能で、県の重要無形民俗文化財に指定されています。

原発事故で存続が危機的な状況となりましたが、地元の保存会や仙台市の東北学院大学の学生が継承を担い、おととしと去年、地元・津島での復活を果たしました。

去年、津島で披露された田植踊り

こうした点が評価され、今年11月に、東京・新宿区で開かれる全国民俗芸能大会に出演することが決まりました。大会を主催する日本青年館によりますと、今年4月に出演団体を選考する委員会が開かれ、その中で、南津島の田植踊りが▼地域の復興に向け、地元の保存会が熱心な活動を続けている点や▼学生を始めとした若い人が継承や保存に力を尽くしている点などが、評価されたということです。

大会は、全国の民俗芸能が一堂に会するもので、前身の大会が100年前に始まった歴史ある大会です。南津島の田植踊りは、2005年の大会にも出演していて、2度目となります。

保存会の会長、三瓶専次郎さんは、「大会に向けて、学生も保存会も本気になって練習している」「国の重要無形文化財に指定されればとも思っています」「大会では、全国の芸能に引けを取らない踊りをお見せしたいと思います」とコメントしています。

三瓶専次郎さん