この先のアメリカの政治を左右する中間選挙。空前のインフレや人工中絶禁止をめぐる是非...過去最高の投票率との予測もある中で、アメリカ国民はどんな選択をするのか。同志社大学三牧聖子准教授は、中間選挙での民主党の劣勢について、空前の物価高による“バイデン疲れ”に加えて、「強烈なキャラクターと経済政策を掲げるトランプ氏への対抗馬が民主党にいない」と解説します。

『長引くインフレ』でバイデン政権への”不満“高まる


ーー今回の中間選挙はどのような印象でしょうか?
「普段の中間選挙は大統領選挙など比べて投票率が非常に低いんですね。しかし、今回は期日前の投票を見てもかなり熱気があり、投票率上がりそうです。それだけバイデン政権や民主党への不満が高まっています。アメリカでは、非常に物価が高騰していて、それが長引いています。そういったバイデン政権への怒りが投票率を後押ししてるんではないかというふうに言われています」

ーー他にはどんな争点がありそうですか?
「今夏に『人工妊娠中絶』の憲法上の保障が判決でひっくり返されるということがありましたので、民主党は中絶問題を一つの争点にして女性票を動員しようと考えていたんですが、世論を見ると、圧倒的な関心が『物価高』で、民主党の思惑通りには行っていないということです」

ーーちなみに投票率で大体どれぐらいになりそうなんですか?
「40%いけば御の字というところですが、期日前の動向を見たら今回は過去最高になるのではという見方もあります」