緊迫する中東情勢で大きな動きです。攻撃の応酬を続けていたイスラエルとイランが停戦で合意したと、アメリカのトランプ大統領が発表しました。ワシントンから中継です。

アメリカがイランへの攻撃に参加し、さらなる衝突拡大が懸念されていた中、トランプ大統領が電撃的な「停戦合意」を発表しました。トランプ氏は、イスラエルとイランの合意について「完全かつ全面的な停戦」と表現しました。

その中身については、アメリカ東部時間の24日午前0時をめどに、まずイランが停戦に入り、その12時間後にイスラエルも停戦に応じるものだとしています。あわせて24時間の暫定的な期間が終われば、公式な停戦が成立するということです。

トランプ氏は「戦争が何年も続き、中東全体を破壊する可能性があったが、そうはならず、今後もならないだろう」と強調しています。

アメリカ バンス副大統領 
「(トランプ)大統領はリセットボタンを押したのだと思う。そして『地域に長期的な平和を築こう』と言ったのだ。それが常に彼の目標だった」 

バンス副大統領は「停戦合意」の発表直後にFOXニュースに出演。アメリカの攻撃で「イランは核兵器の製造能力を失った」と主張した上で、今後も核開発を継続する事態となれば、アメリカ軍が再び軍事行動をとる可能性があるとイランを牽制しています。

一方、イランはこれに先立ち、カタールにある中東最大のアメリカ軍基地に報復攻撃を行いました。基地に向けて14発のミサイルを発射したものですが、トランプ氏は「イランに感謝したい。事前通告のおかげで死傷者は出なかった」と明らかにした上で、イランとの間で一定の信頼関係が構築されていたことを示唆しました。

ロイター通信は、この攻撃後、仲介役を務めたカタールがイランと対話を行い、今回の停戦合意を取り付けたと伝えています。

今後は、イスラエル・イラン双方がこの停戦を実行し、継続できるかが当面の焦点になります。